ブログ DOCTOR BLOG

カテゴリー:

院長ブログ

こどもの出っ歯は矯正したほうがいい?治療するタイミングや方法について

「こどもの出っ歯が気になる」「いつから治療を始めたらいい?」

このように、こどもの出っ歯に不安や疑問を持つ保護者の方は少なくありません。

本記事では、こどもが出っ歯になる原因、治すタイミングや治療方法についてご紹介します。

 

出っ歯と受け口の違い

出っ歯とは、専門用語で「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と言い、上の前歯が前に出ている状態のことです。出っ歯になると見た目に問題が生じるだけでなく、前歯で食べ物を噛み切ることが困難になります。その結果、食べ物が砕けず大きなまま胃に運ばれるため、消化不良を起こしやすくなります。また、食べ物がうまく食べられずに音を立てるようになったり、転倒した際に前歯を損傷したりするリスクも高まります。

一方受け口とは、専門用語で「下顎前突(かがくぜんとつ)」と言い、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態のことです。受け口になると見た目に問題が生じるだけでなく、発音に影響を与えたり、将来顎関節症になるリスクが高まったりします。

 

こどもの出っ歯の原因とは

こどもの出っ歯は、以下のことが原因で生じる可能性があります。

 

日頃の癖

指しゃぶり、舌で前歯を押す癖、下唇を噛むといった癖は、長期間行われると歯が動いてしまうほどの力を加えてしまうため、出っ歯になる可能性があります。中でも指を強く吸うような指しゃぶりは、指を吸う力によって歯列が狭窄し前歯が押し出されてしまうため、出っ歯になりやすいです。これらの癖は4~5歳頃まで残っていると、歯並びやかみ合わせに影響を与えてしまうため、早めの改善が必要になります。

 

口呼吸

口呼吸は出っ歯につながる可能性があります。鼻呼吸の場合、舌の位置は上の前歯の根元につき、上あごに舌がおさまります。唇や頬の筋肉で歯が押されても舌でバランスを保っているので、歯が内側に倒れることはありません。しかし、口呼吸は常に口が開いている状態なので、舌の位置が下あごまで下がります。そのため、唇や頬の筋肉で歯が押されてしまい、歯が内側に倒れて歯列が狭くなり、前歯が出てしまう可能性があります。

 

遺伝

両親の骨格とこどもの骨格が似るように、顎と歯の大きさが遺伝する可能性もあります。そのため、両親あるいは祖父母が出っ歯である場合、こどもに受け継がれることがあります。とはいえ、出っ歯は必ずしも遺伝するものではなく、日頃の癖や口呼吸など、後天的な要因が大きく関係していると言われています。

 

いつから治療を始めればいいの?

こどもの出っ歯の治療開始時期は、成長過程やお口の中の状態によって異なりますが、7~9歳頃が1つの目安になります。なぜなら、上あごの成長は8~9歳頃に完了し、下あごは10~12歳頃に大きく成長するため、この時期に治療を開始するとあごの骨の成長をコントロールする治療が受けられるからです。

その時期を過ぎてしまうとあごの骨の成長が完了しているため、大人と同じ成人矯正を行わなければなりません。出っ歯の場合は、歯を並べるスペースが不足していることで生じることも多いため、スペースを確保するために抜歯が必要になるケースもあります。

また、出っ歯をはじめ悪い歯並びは、自然に治ることはなく、成長とともに悪化する可能性があります。そのため、こどもの出っ歯が気になる保護者の方は、6歳頃に1度歯科医院に相談することをおすすめします。

 

どんな治療法があるの?

こどもの出っ歯の治療方法は、歯の生え方や骨格の問題、日頃の癖の有無によって異なります。また、これらが複合して出っ歯の原因になっていることも多いです。ここでは、代表的な治療方法についてご紹介します。

 

歯の生え方によって出っ歯が生じている場合

歯の軸が前方に傾き、出っ歯が生じている場合は、歯を正しい位置に導く治療を行います。ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯並びの改善を行うことが一般的です。

 

骨格の問題によって出っ歯が生じている場合

上あごの過成長や、下あごの劣成長で出っ歯が生じている場合、成長を抑えたり促進させたりする治療を行います。一般的にヘッドギアやバイオネーターなどといった矯正装置を用いてあごの成長をコントロールすることが多いです。

また、出っ歯以外に歯がガタガタしているなどの問題がある場合は、あごの骨の成長をコントロールしながら、ワイヤー矯正を併用することもあります。

 

日頃の癖によって出っ歯が生じている場合

口呼吸や舌で前歯を押す癖などがある場合、お口周りの筋肉を正しく使えるようにするトレーニング(MFT)を行う場合もあります。

 

まとめ

出っ歯は上の前歯が前に出ている状態のことです。日常の癖、口呼吸、遺伝などによって生じ、原因や成長過程によって適切な治療方法が異なります。上記で紹介した以外にもさまざまな治療方法や装置があります。そのため、治療方法の選択は歯科医師の適切な判断が重要です。

また出っ歯を治す適切な時期は、こどもの成長やお口の中の状態によって異なりますが、目安は7~9歳頃です。正確な開始時期は、診査・診断しないとわからないため、こどもの出っ歯が気になる方は6歳頃に1度歯科医院に相談することをおすすめします。

 

ページトップへ